「全国大会を目指しているんですか?」
「全国大会を目指しているんですか?」と聞かれる事があります。
厳しく生活指導や演奏指導したり、他先生にレッスンをお願いしたり、演奏会鑑賞を勧めたり、出来る限り環境を整える努力をしたり等しているからでしょうか。
でも「金賞取るぞ!」「全国大会いくぞ!」という言葉は言った事がありません。
30年前の教員時代から共通しているのは「子どもたちには演奏することが楽しめるようになってほしい」という事です。やっぱり自分の思うままに楽器を演奏出来たらそんな楽しい事は無いし、それが多くの人に喜んで称賛してもらえるなら、更に自己肯定感や自信にもつながっていくはずなんです。
頑張ったからといってコンクールに勝てる訳ではありません。頑張ったからといって上手に演奏出来るようになる訳でもありません。何を頑張るのか?そこには正しいレクチャーを受け正しい練習方法を身につける事が必要だし楽器自体も良い状態を保たなければならないし、音楽性や感性も磨くべきなのです。
コンクールに出るからには、コンサートを開くからには、イベント演奏するからには、様々な演奏場面を演奏者本人達が楽しめるように指導しなくてはと思います。「もうコンクール出たくないな」「もう演りたくないな」本番が終わってからそんな風に思って欲しくないんです。そのために様々な事をします。
コンクールやコンサートには「運」もつきものです。聴く人が変われば評価も変わるし、演奏順や取り上げた曲によっても評価が変わる事があります。その日の天候や体調次第で演奏や会場の雰囲気も変わるんです。だから「運も実力のうち」という言葉もあるのではないでしょうか?運を信じればの話ですが。
演奏が終わって「あ〜楽しかった!最高!もう一回演りたい!」子どもたちひとりひとりがそんな事を言い合える演奏が出来て、しかもそこに「運」がついてくれば、自然と結果が生まれる気がします。実際これまでそういった場面をたくさん見てきました。「金」に目が眩んでしまってはダメだと思います。
最後にもうひとつ。「芸事」にはお互いに師事するされるという姿勢と、互いの信頼関係が必要不可欠だと考えますが、今の時代を考えると「体育」ではなく「スポーツ」的な指導を目指さなくてはなりません。自発的に音楽・楽器を楽しむ生徒をサポートし支援する役回りに徹しなくてはならないと思います。
「自発的に」「自主的に」この姿勢が生まれてくるような投げかけが必要なんです。「やる気を出せ!」「本気を見せろ!」は現代ではNGなのです。そこで「あの手・この手」が必要になってきます。何もしないで「放置」してはダメだと思うのです。
「何もしないで放置してはダメ」ではありませんね。「何もしないで放置」は「教育」では無いと思います。その「教育」の「仕方」はその教育する「人」それぞれ、それが子どもたちの「個性」を活かすことにも繋がると思います。でも「躾」は別です。指導者が共通意識を持つべき事は「躾」だと思います。
「おはようございます」「こんにちは」「ありがとうございます」「いただきます」「ごちそうさまでした」などをいつも「笑顔」で言えたら、何の心配もいらないでしょう。そうで無い時は、何かのサインと考えてしまいます。
「笑顔」で「元気」に「楽しんで」「演奏出来る」目指すはそこです。
「子どもたち」を「大人たち」が「全員」で「共通理解」のうえで「育てていく事」、これが理想とするべき形です。
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